種林寺


本堂
本堂

案内杭
案内杭

種林寺は尾花沢市芦沢にある曹洞宗の寺院です。白鳥十郎長久より五代前の義守が開基 したお寺です。もとは村山市の白鳥地区の宮下にあった寺院で現在も宮下の畑地に種林寺跡といわれるところがあるそうです。

種林寺は白鳥氏の谷地入部のときに白鳥地区の宮下から東 林寺などと共に谷地に移りました。
谷地では現在は民家になっていますが種林寺は大町観音堂の南側に あったそうです。

種林寺は白鳥氏の菩提寺で白鳥氏以外の檀家は少なかったそうです。そのために白鳥氏の滅亡とともに寺は荒廃してしました。種林寺にあった白鳥氏累 代の位牌は一旦、三 社宮に移した後に種林寺と同様に白鳥地区から谷地に移ってきた東 林寺に安置 されることになり、東林寺が白鳥氏の菩提寺となっています。
享保18年(1733年)に白鳥十郎長久の150回忌が行われました。その時の導師は東林寺の住職が務めており、この頃すでに種林寺は衰えてお り菩提所は東林寺に移っていたものと考えられます。

種林寺は寛延2年(1749年)に芦沢に移されました。
尾花沢市鷹巣にある地福寺の和尚が芦沢に新しくお寺を建てようとしましたが当時は江戸幕府による寺社統制で新しくお寺を建立することが困難でし た。そのため、谷地ですでに荒廃してしまっていた種林寺の名と伽藍を芦沢に移し、芦沢の種林寺として再建したものと考えられています。

芦沢の種林寺には開祖の義守の位牌(東林寺にも義守の位牌が残されています)と 谷地城で使われていたと伝わる板戸が残っています。

谷地城の板戸
谷地城の板戸
高橋欣二,『白鳥十郎長久 おもかげを訪ねて』,戸沢地区公民館,平成7年,pp51